【ホラー名作】くねくね①

212 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:2001/07/07(土) 01:28
わたしの弟から聞いた本当の話です。
弟の友達のA君の実体験だそうです。

A君が子供の頃、A君のお兄さんとお母さんの田舎へ遊びに行きました。
外は晴れていて、田んぼが緑に生い茂っている頃でした。

せっかくの良い天気なのに、なぜか2人は外で遊ぶ気がしなくて、家の中で遊んでいました。
ふと、お兄さんが立ち上がり、窓のところへ行きました。
A君も続いて窓へ進みました。
お兄さんの視線の方向を追いかけてみると、人が見えました。
真っ白な服を着た人が1人立っています。(男なのか女なのか、その窓からの距離ではよく分からなかったそうです)
あんな所で何をしているのかなと思い、続けて見ると、
その白い服の人は、くねくねと動き始めました。
踊りかな?そう思ったのもつかの間、その白い人は不自然な方向に体を曲げるのです。
とても人間とは思えない間接の曲げ方をするそうです。くねくねくねくねと。
A君は気味が悪くなり、お兄さんに話しかけました。
「ねえ。あれ、何だろ?お兄ちゃん、見える?」
すると、お兄さんも「分からない」と答えたそうです。
ですが答えた直後、お兄さんはあの白い人が何なのか分かったようです。
「お兄ちゃん、分かったの?教えて?」とA君が、聞いたのですが、
お兄さんは「分かった。でも、分からない方がいい」と、答えてくれませんでした。

あれは一体なんだったのでしょうか?
今でもA君は分からないそうです。
「お兄さんにもう一度聞けばいいじゃない?」と、私は弟に言ってみました。
これだけでは私も何だか消化不良ですから。
すると弟がこう言ったのです。
「A君のお兄さん、今、精神的におかしくなっちゃってるんだよ」

【解説と感想】
この話は「くねくね」系怪談の中でも非常にシンプルながら、じわじわと不安を掻き立てる秀逸な構成になっています。
冒頭ののどかな田舎の風景、兄弟で過ごす穏やかな時間──それが不気味な「白い何か」の登場によって静かに、しかし確実に崩れていく。
この話の怖さは、直接的な恐怖描写ではなく、「見てはいけないものを見た結果どうなるのか」を示唆するだけにとどめ、想像の余地を残している点にあります。
兄が「分かった。でも、分からない方がいい」と言うあたりで、読者にも薄々伝わってくる「これはただの幽霊ではない」感。そして最後に明かされる、兄が精神を病んでしまったという後日談が、無力感と共にじんわりとした恐怖をもたらします。
この話が示唆しているのは、「真実は時に人の心を壊す」ということかもしれません。
ちなみにわたしは田舎出身のため、こういう系の話がめちゃくちゃ苦手ですw